鮮烈で強烈で手負いの獣のように気高い虎のように己を殺そうとしながら敵の喉元に食らいつき殺す矛盾と破壊の塊のようでありながら、それでもうつくしいネイサンというおとこを、どうして殺さなかったのだろう。答えは反問しても出なかった。あるいは、そこにあったのだ。……うつくしかった、から。ただ、うつくしかった。何を思ったか。なにが得られるか。そんなことまで、考えられないくらい。魂が、震えたと言えばいいだろうか。予感がしたのだ。きっとこのおとこは、己の欲しいものを、見つけてくれるのだと。探していたものは、ここに、あったのだと。たましいが、叫んでいた。
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