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hinohi_no
2016-01-04 21:34:25
782文字
Public
トム関係
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re:マイノリティリポート
プリコグのシステムを終わらせた、ふたりのおとこの話をしよう。
一人は、ラマー・バージェス。犯罪予防局の局長だった彼は、このシステムを終わらせないためにシステムの隙をつき人を殺し、システムとともに死んだ。彼が浅はかな殺人を犯さなければ、プリコグのシステムはいまなお、続いていただろう。
もう一人は、ジョン・アンダートンという、刑事だった。犯罪予防局でチーフであった彼は、息子を誘拐されて以来このシステムにより、同じような目にあう人間が少しでも減るようにと尽力した。その成果も、出していた。優秀な人材だった。そして、優秀すぎたのだ。彼は、ラマーの殺人を指摘した。
……
そして、彼のおかげで、己はここにいる。かつて、プリコグと呼ばれた己は、もっともその力が強かったアガサ程ではなかったが、未来が見えた。それでも救えない人々に、見えるだけでは駄目なのだと知ったのだ。場所を把握/事態を見極め/止めるためにどうするかを瞬時に理解する。それがどれ程困難なのか分かっているのは、実際にプリコグの予知を見た者にしか分からないのだ。殆ど不可能みたいなタイミングで舞い降りる予知に、どれほど自分でも絶望したことか。
ジョン・アンダートンは優秀だった。彼はシステムを、終わらせた。だから己は、プリコグではなく、ここにいる。
……
瞼を閉じる。絶望するのは、今日までだ。
アガサは、言った。彼だから、救えたの、と。ジョン・アンダートンと共に行動した彼女には、何が見えたのだろう?わからなかった。だから、知りたかった。ワシントンDC。かつてのように犯罪がはびこる都市で、ジョン・アンダートンのように、なりたいと。救えるかもしれないと、こんな、見ることしかできない己でも、できることがあるかもしれないと、夢想した。それはかなしい夢だったかもしれないが──きっと、しあわせな夢でもあるのだ。
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